グレイハウンドレースの世界-world of greyhound racing-

「ドッグレース」でお馴染みの「グレイハウンドレース」の魅力を紹介します

名グレイハウンドの軌跡:番外編 Scurlogue Champ VS Ballyregan Bob

先のエントリー内に載せたドキュメンタリー内にも出ていましたが、

同時期に走っていた Scurlogue Champ と Ballyregan Bobが、

生涯に一度だけ、直接対決をしたことがありました。

 

安易な喩えになりますが、

サイレンススズカディープインパクトが、

ビワハヤヒデナリタブライアンが、

レイチェルアレクサンドラ (Rachel Alexandra) とゼニヤッタ (Zenyatta) が、

直接対決をしたような「夢の対決」として、

当時、相当な盛り上がりを見せたようです。

 

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しかし、結果はなんとScurlogue Champが、レースを「放棄」という結末...。

どうも、いつも通り後ろから行ったScurlogue Champが、

レース引導のぬいぐるみと、あまりにも距離ができすぎて、

レース中だと認識できなくなった(レースが終わったと勘違いした?)ことが原因で、

レースを止めてしまったそうです。

 

2頭とも、同時期に、同じような距離で、コースレコードを連発し合っていました。

その2頭の直接対決としては、あまりにもあっけない結末...。

 

喩えて言うなら、

サイレンススズカを追いかけ始める前に、

ディープインパクトが、故障等は何も無いのに、勝手にレースを止めてしまったようなもの。

 

もし、Scurlogue Champが最後まで走り抜いていたら、

際どい勝負に持ち込んでいたと思います。

 

これだけの歴史的名グレイハウンドが、同時期に存在したことは、

イギリス以外でも無いと言われているそうですから、

たった一度、唯一の直接対決が、力を出し切らないままの決着となったのは、

返す返す、残念極まりないですね...。

 

 

 

名グレイハウンドの軌跡 Ballyregan Bob

先にご紹介したScurlogue Champと同時期に、イギリスで活躍し、

同じようにレコードを連発し、生涯32勝を挙げた名グレイハウンドが、

Ballyregan Bobです。

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こちらScurlogue Champと異なり、先行し、スピードの違いで

そのままブッチ切る「王道型」の名グレイハウンドです。

全身をビッシリと伸ばし切るフォームで、素晴らしいスピードです。

 

以下は、道中2番で進み、最後の直線で前の犬を捩じ伏せて、

レコードで勝利したレースです。前の犬と走りの迫力が全然違います。

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以下は、関係者のインタビューも交えた、ドキュメンタリー番組です。 

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名グレイハウンドの軌跡 Scurlogue Champ③

後ろから抜き去って行く方が人気が出やすいのは、

競馬もグレイハウンドレースも、同じなんでしょう。

競馬と違って、騎手のコントロールはききませんから、

こういう「追い込み型」は、相当人気があったのだろうと思います。

 

(他にも、追い込み専門の名グレイハウンドは、何頭か存在します。

 近いうちに、当ブログで紹介しますね)

 

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1984年の、貴重なデビュー戦の映像(一般観客の撮影?)。

このレースは芝で行われています。

競馬と異なり、グレイハウンドレースでは、芝・ダートの区別が

はっきり存在するわけではありません。

というか、現在はどの国のグレイハウンドレースも、

ダート(砂)でのレースがほとんど100%といっていいと思います。

 

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1周間違えて(?)先頭に立って、そのまま千切って圧勝したレース。

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雨で泥んこのレース場でも、スライドを伸ばして走り抜いています。

700mあたりのレースでなら(競馬でいえば2400m〜3000mくらいか?)、

おそらく、史上最強のグレイハウンドの一頭でしょう。

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名グレイハウンドの軌跡 Scurlogue Champ②

以下のレースでは、レース中盤で既にまくり切り、そこから差を広げ続けます。

アメリカ競馬でたまに見かけるレースぶりですね。

こういうレースぶりからも、前の犬がバテて浮上したのではなく、

心肺機能の違いで抜き去っている、力で捩じ伏せて勝っているのがわかります。

 

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以下は予選も含めた3レースが収録されています。

身体の動き(収縮)が、他のグレイハウンドとは全く違います。

まるでナリタブライアンですね。

 

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名グレイハウンドの軌跡 Scurlogue Champ①

1984~1985年にイギリスで活躍した、伝説のグレイハウンドです。

道中は後方を進み、レース中盤から、猛烈な勢いでまくってきます。

 

大きな身体を柔軟に伸縮させながら、他の犬を抜き去って行く姿は圧巻です。

しかも、多くのレースでコースレコードを叩き出して勝っています。

バテてきた他の犬を交わしているわけではありません。

文字通り、力の違いで圧勝しているのです。

 

日本の競走馬で言えば、ナリタブライアンディープインパクトを、足して二で割ったようなタイプだと思います。

 

何回かに分けて、代表的なレースや特集番組の動画を紹介して行きます。

 

離れた後方から、一気にまくり始め、短い直線でごぼう抜きするのが以下。

 

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グレイハウンドレースのシステム

エサのにおいを付けた、ウサギのぬいぐるみを追いかけるレースです。

 

レースの距離は、300m〜700mくらいです。

 

基本的に最初から全力疾走して、脱落して行く、アメリカ型の競馬のようなレースだと思います。

 

ただ、そんななかでも、気性的にか、トレーニングの成果か分かりませんが、道中は後方から進み、途中から追い込んでくるグレイハウンドもいます。

グレイハウンドレースについて

グレイハンドレースとは、いわゆる「ドッグ・レース」のことで、犬の一種、グレイハウンドを競わせるレースです。

昨今、動物愛護の観点から、どんどん衰退傾向にありますが、いまだにイギリスやオーストラリア、ニュージーランドアメリカ等では行われています。

マカオやグアム、サイパンでも行われており、観光客がギャンブルとして楽しんでもいます。

 

実は日本でも、戦後、GHQが、日本でグレイハウンドレースを行おうとしていた時期がありました(結局、企画は中止となり、代わりに競輪などの他の公営競技が開始されました。なお、競馬は太平洋戦争前から存在していました。)

 

日本では、競馬は大変人気があり、たくさんの名馬がいます。

 

グレイハウンドの世界にも、名グレイハウンド(名犬)として語り継がれる素晴らしい犬がいます。

 

グレイハウンドレースが更に衰退する前に、そうした名グレイハウンドの軌跡を、少しずつ、このブログで紹介して行きたいと思います。

 

また、競走馬でいえば、日本のブロードアピールや、アメリカのシルキーサリヴァン (Silky Sullivan) のような、「超個性型」のグレイハウンドも存在します。

 

そういった類の名犬・名グレイハウンドも、このブログで紹介して行こうと考えています。 

 

もちろん、単体のレースやグレイハウンドだけでなく、

内容が充実している海外のHPや、動画チャンネルも、紹介して行きます。 

 

また、競馬やサラブレッドが好きな方には、ひょっとしたら、競輪やオートレースよりも、興味を持っていただけるかもしれません。

 

まあ、日本国内でギャンブルとして楽しむことはできませんが、名サラブレッドと名グレイハウンドの動き、フォームの質には、共通した素晴らしさがあります(フォームの柔軟性、スライドの伸び、ピッチの早さ・正確さなど...)

 

グレイハウンドレース(名グレイハウンドの動き)を見た後、競馬(名馬の動き)を見直して、あらためて、名馬の動きの素晴らしさが身に染みて分かる、なんて経験も、私は何度も(今でも)しています。

 

セクレタリアト (Secretariat) やダンシングブレーヴ (Dancing Brave)、

フランケル (Frankel) やナリタブライアンディープインパクトといった馬の、

フォーム自体の素晴らしさが、他の馬と比べていた時だけの頃より、

より明確にクッキリと、分かる(意識せずとも目に飛び込んでくる)ように

なってきたのです。

 

ですから、このサイトでは、世界の競馬史上に残る名馬も含めた、

競馬に関連する事柄ついても、グレイハウンドレースと比較したり、併置したりしながら、書いて行きたいと思います。

 

素晴らしい「動物」の動きには、種を超えた共通する凄さがあるのです。